AIアニメの音の教材、作ります。
まずは「音の悲しい運命」の話から
こんにちは、よかっぱです。
アニメを観て「あのバトルシーン、すごかった」って言ったこと、ありませんか。
じゃあ「あの効果音、良かったね」は?
……たぶん、無いですよね。
いま、AIアニメの「音の入れ方」の教材を作っています。
イケハヤさんの「何をグズグズしているんだ、今やれ」という趣旨の記事を読んで、その日のうちに作り始めました。
今日はその教材の一番根っこにある、「音って、ちょっと悲しい役回りなんだよな」という話をします。
音は、うまくいくほど気づかれない
音って、うまくいっても基本、誰にも褒められないんですよ。
派手なアクションの映像には「すごかったね」って言うけど、「このBGMの入り方が良かったね」とは基本言わない。
じゃあ音の存在に気づかれるのはいつか。
ノイズが乗っているとき。
セリフが変なところで切れているとき。
タイミングが変なとき。
気づかれたときは、たいてい失敗しているときなんです。
逆に一番うまくいっている状態は、音の存在がもう感じられないとき。
観た人の「なんか良かった」の中に、溶け込んでしまうのが音なんですよね。
主張しすぎるとうるさい。
透明になるのがゴール。
ちょっと悲しい運命を背負ってるなと思ってます笑。
図にすると、こういうことです。
ぼくが音をやっていたのは、消去法だった
ぼくはStudio VIBEのAIアニメのチーム制作に、去年の12月から関わっています。
当初は、音の担当として入りました。
一番はじめの頃、「チーム制作をやろうと思います」と募集がかかったとき。
「どのシーンをやるか、早い者勝ちで手を挙げてください」という形でした。
シーンをやる=基本は映像を作ること。
音は「映像を作っている間に、入れてくれる人もいるといいです」くらいの位置づけだったと記憶しています。
で、「音だけやります」と手を挙げた人は、たぶんいなかった。
ぼくが音に手を挙げたのは、正直、消去法でした。
手を挙げるのが遅かったのもあるし、映像制作にはスピードが必要で、当時のぼくは求められる倍くらい時間がかかっていた。
映像は無理かな、でも入りたい。
それで、残っていた「カットはできているけど、音がまだ入っていない部分」に、「ここの音入れ、やりますよ」と。
かっこいい志は、全然なかったんですよね。
やれるところをやった、というだけで。
60年前、アトムの現場にも「音響監督」はいなかった
最近知って「同じだ」と思った話があります。
明田川進さんという、日本のアニメ音響の草分けの音響監督さんがいます。
この道60年以上の方です。
その方の連載「音物語」に、こんな一節があるんです。
僕が制作進行として虫プロに入った頃は音響監督という役職はまだなく
(明田川進の「音物語」第2回・アニメハックより)
虫プロは手塚治虫さんのスタジオ。
鉄腕アトム、1963年。
日本でテレビアニメが生まれた場所です。
つまりアニメが生まれたとき、音の専門職は存在すらしていなかった。
アトムの放送の途中から、田代敦巳さんという方が社内に音響のセクションを作って、そこから「音響監督」という仕事が業界に広がっていったそうです。
AIアニメの今も、同じことが起きているのかなと思っています。
みんな映像から入って、音は後回しになりがち。
60年前と同じ流れ。
音は、伝わるかどうかを静かに決めている
でも、音を後回しにした作品って、なんかちょっと安っぽいというか、雑に見えちゃうんですよね。
絵をいくら直しても、音が半端だと作品としては片手落ちです。
音は褒められない代わりに、作品がちゃんと伝わるかどうかを、静かに決めている。
それと、消去法で入った音でしたが、結果的に良かったなと思っています。
音を入れるには、作品の全体を見る必要があるんです。
BGMって、1つのカットだけ見ていても入れ方が分からない。
そこだけ浮いてしまうから。
おかげで全体を見る目が育って、いまは助監督として、音から映像まで全てを見る役割になっています。
というわけで、教材つくります
音のノウハウって、映像に比べてSNSにあまり回っていません。
ぼくも本を読んだり、アニメを観て研究したりしながら勉強しました。
この1年弱、チーム制作と個人制作で拾ってきた「自分なりの音の直し方」を、いま教材にまとめています。
出す時期は、8月中を予定しています。
価格は1,000円くらいの予定です。
発売日が決まったら、また改めてお知らせします。
この話は、ポッドキャストでも話しています。
#28 音の教材、作ります。まずは「音の悲しい運命」の話から(Spotify)
あなたの作品づくりで、音、後回しになっていませんか?
「同じだ」と思った方は、コメントで教えてください。
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ぼくは、AIアニメやゲームを作りながら考えたこと、つまずいたことの記録をSubstackで配信しています。
うまくいった話だけでなく、迷いや、つくる過程で気づいたことも。
ひとりでつくるのに疲れたとき、すこし前を向ける記事を届けます。
いま作っている音の教材の発売お知らせも、ここがいちばん早いです。
次の記事も読みたい方は、無料登録してもらえるとうれしいです。
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ではでは〜。




